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刺青・タトゥー除去治療の現状(Part2)

ここまで、いろいろな問題点について述べてきましたが、では、どのような方法が刺青・タトゥー除去治療において理想的なのでしょうか。六本木境クリニックでは、「削皮(皮膚剥削術)+QYAGレーザー」の複合治療をお勧めしています。

削皮(皮膚剥削術)の利点のひとつは、上手くおこなった場合、キズがふさがった後にツッパリ感や痛みなどの症状が少ないことです。

削皮(皮膚剥削術)という治療を簡単に説明しますと、「墨の入った皮膚を真皮の途中まで削り取って、擦り傷を作る」という治療法です。通常この時点では、墨は完全に取り除きません。完全に取り除こうと無理やり深く削るとケロイド状になります。削皮(皮膚剥削術)をおこなって擦り傷となった部分には、皮膚を治すために自分の細胞が集まってきます。その細胞が残りの墨を食べてくれて、さらに墨が薄くなります。自然治癒力を生かした治療法と言えるでしょう。この墨が薄くなった状態に、後日、レーザーを当てると非常に効果的です。

削皮(皮膚剥削術)においても、レーザーにおいても、わたくしが、形成外科、熱傷外科、創傷外科の治療の中で培った治療を行います。削皮(皮膚剥削術)には非常にたくさんの方法がありますが、削りすぎるとケロイドになるし、削り足りないと墨が残ります。素人が見ても結果の優劣が分かりやすく、手術の中では非常に難しい部類に入ると思われます。しかも、わたくしの行っているフリーハンドでの削皮は、ほんの少しの力加減で、まったく深さが変わってしまいます。やり直しの一切効かない一筆書きのような難しさがあります。元の刺青やタトゥーの形を連想させないセンスも必要です。さらに、墨が入っていない皮膚を余計に削れば削るほど、ケロイドのリスクは上がっていきます。そのため、六本木境クリニックではミクロ単位の深さにまでこだわって削っています。

他のクリニックで刺青・タトゥーの削皮を受けた方から、「長期間にわたって傷口がふさがらず、洋服が臭い汁で汚れて大変だ」という相談や、「ケロイド状でかゆい」「痛い、しびれる」「腕が曲がらない」「手が動かない」などといった相談が非常に多いです。

九州から相談に見えた方は、他のクリニックで刺青・タトゥーの削皮を受けたところ、1ヵ月風呂に入れず、どろどろになり熱も出て、左腕がほとんどケロイドになって、肘が曲がらず車の運転もできないため、仕事にも行けなくなってしまったそうです。

わたくしは、刺青・タトゥー除去治療の中では「削皮が一番難しい治療」だと思っています。もちろん、結果がどうなっても良いのであれば、誰にでもできる治療ですが、ある程度以上のクオリティーを出すのであれば、一番難しい治療と思います。


レーザーの話に移ります。ネット広告でよく見かける、刺青・タトゥー除去の「レーザー打ち放題」というのも問題があると思います。痛くて1回でやめる人が多いと聞きますし、2~3回目で横ばい感を感じてやめたという話もよく聞きます。刺青やタトゥーは消えないように入れられているため、墨はお肌の新陳代謝の源である基底層よりも深く入っています。

 

刺青やタトゥーのレーザー除去治療とは、光を当てて色素を分解し、新陳代謝や自分の細胞が墨を食べることによって、刺青やタトゥーが薄くなっていくと説明されています。しかし、刺青やタトゥーには墨を入れた時にできた傷跡がすでに存在しています。

●・・墨 ○・・瘢痕(傷跡)

 

さらに、レーザーを照射すると必ず皮膚がやけどして、そのやけどによって皮膚表面がコーティングされていくという事実を忘れてはいけません。皮膚がやけどでコーティングされてしまうとレーザーは中に入っていかなくなります。はじかれてしまうのです。そのため、レーザーの回数を重ねれば重ねるほど、皮膚はやけどで厚くコーティングされていき、効果が無くなっていきます。

 

はじめてレーザーを受けると、あたかも少ない回数や短い年月で刺青やレーザーが消えて行くかのような錯覚を覚えます。しかし、レーザーの効果は回を重ねるごとに効かなくなっていくというのが刺青・タトゥー除去レーザーのほとんどのパターンです。そのため、7年35回でも患者さんは消えたとは思えないと言った結末となることもあり、「ゴールのない治療」とも言われています。また、レーザーは無傷で刺青やタトゥーが完全に消えると思っている方が多いようですが・・・レーザーでも確実に傷跡はできます。しかも、刺青・タトゥーの形そのままの傷跡となって、ボコボコと盛り上がったりマダラになったりします。

もちろん、従来の刺青・タトゥー除去レーザー(QYAGレーザー・Qルビーレーザーなど)であっても、「浅く入れられた黒一色の刺青やタトゥー」など、さまざな条件が揃えば、回数と年月はかかりますが、最終的にはけっこう薄くなると思います。

また、最新のピコレーザーについてですが、ピコレーザーの経験がある先生方や患者さんの意見から総合的に判断すると、従来のレーザーよりも性能は格段に良いようですが、刺青・タトゥー除去治療に関して言いますと、さまざまな条件が揃わなければ、刺青やタトゥーが「消えた」と言えるほどすごく薄くすることはできないようです。最新型のピコレーザーであっても、刺青・タトゥーの完全除去を高確率で保証できるわけではありません。

 


ピコレーザーについて思うこと

人は信じたいものを信じやすいと言われています。「まるで消しゴムで消すように、刺青やタトゥーが消えるレーザーが開発されたらしい」このような噂は広がりやすいものです。

そこまでひどくなくても、実際にネット上には「この最新のピコレーザーで刺青やタトゥーが消えます!」「早くキレイに消えます」「無傷で消えます」などといった宣伝があふれています。

ピコレーザーは本当にすごい技術なんでしょうけれど、刺青・タトゥー除去治療に限って言えば、ぜんぜんそんなことないですよね。どう考えても、早くもなければキレイにもならないですよね。いくらなんでも無傷はないですよね。

●・・墨 ○・・瘢痕(傷跡)

レーザーを当てれば当てるほど瘢痕は増えていく。

 

レーザー除去治療では、刺青やタトゥーとそっくり同じ形の傷跡ができる。

 


基本的には刺青やタトゥーはわざわざ消えないように入れられています。しかも、刺青やタトゥーには墨を入れたときにできた傷跡がもともとありますので、どんなにものすごく性能がいい最新のピコレーザーを照射し続けても、元からあった傷跡が浮かび上がってきますよね。たとえ、そのピコレーザーが一切傷跡をつけずに、魔法のようにものすごく墨を減らすことができると仮定したとしても、どう考えても・・もとからあった傷跡が目立つようになりますよね。実際にピコレーザーで有名なある先生はそのように説明されているようです。

わたくしはピコレーザーを打ったことはありませんが、QYAGレーザーとQルビーレーザー、炭酸ガスレーザー・フラクショナルレーザーは実際に使用してきましたし、削皮後のレーザー照射まで含めると、刺青・タトゥー除去レーザーにおいては、多くの経験があると言えます。

また、六本木境クリニックには、他院でピコレーザーを受けた方がたくさん相談に来られていますし、ピコレーザーをお持ちの先生方も何人も刺青・タトゥー除去治療の相談に来られました。

ピコレーザーは当然、従来のレーザーより性能はいいのでしょうけど、従来のレーザーと同じように刺青やタトゥーを薄くするだけの治療であって、消すことはできないように思います。

いくら性能がいい車であっても、空を飛んだり海を航行したりするのは難しいものです。同じように、刺青・タトゥー除去レーザーにも得意・不得意、長所・欠点があるように思います。とんでもなく性能がいいレーザーでも刺青やタトゥーは簡単には消せませんよね。

そして、いくら宣伝のためと言ってもウソは良くないですよね。患者さんも医療サイドもお互いに本当のことを知ってから、知らしめてからが、本当のスタートだと言えます。


 

六本木境クリニックの強みは、全身に多数入れられている複数のタトゥーや、背中一杯の大きな刺青の除去治療にも慣れているということです。

整容的・美容的観点から、治療の第一選択を「削皮+QYAGレーザー」に絞って考えています。この考えに賛同いただき、北海道~沖縄、海外からも毎日のように大きな刺青やタトゥーの方が来院されています。

カウンセリングにお越しいただけましたら、モニター症例写真を多数お見せしながら30分かけて十分にご説明いたします。六本木境クリニックでは、カウンセリングと同日の手術はお断りしています。カウンセリングで受けた説明を一度自宅に持ち帰って、じっくり検討してから決めていただきたいと思っています。カウンセリングと同日に契約を勧めることもありません。カウンセリング当日に「今日、手術を受けると安くしますよ」「今日、契約すると値引きしますよ」などと、医療とは思えない悪質な勧誘をしているクリニックもあるようです。

また、六本木境クリニックでは、刺青・タトゥー除去治療をお勧めせずに、まずはカバーマークで刺青やタトゥーを隠すことをお勧めする場合もあります。刺青・タトゥー除去治療には、病気やけがの治療と違って手遅れというものがありません。そのため、多くの患者様にカバーマークをお勧めしています。

患者様の事情はそれぞれかと思いますが、あえて手術を受けず、隠し通すこともひとつの手段かと思います。カバーマークがバレた時には「治療中です」と自己責任でウソをつけばいいと思います。カバーマークで隠すことも治療の一種と言えなくもないのですから、ある意味100%完全なウソとは言えません。「若気の至りで入れた刺青やタトゥーで差別されることは当然」と思っているのなら、ウソをつくのは難しいでしょう。ですが、「刺青やタトゥーごときで、まるで犯罪者かなにかのように差別されることに対して全く納得がいかない」のであれば、ウソをついてもそれほど罪悪感は感じないでしょう。無傷で取る方法はないわけですし、隠し通せればいいわけです。だって、まわりの差別的な風潮のほうが100倍変ですもん!

そして、刺青やタトゥーを急いで取る方法は極々小さなものでは切除、ほとんどのものでは植皮(皮膚移植)しかありません。本当に小さなタトゥー切除や刺青植皮では2週間で治療できますが、その他の除去治療では1年以上はかかります。本当に急いでいるほとんどの人にとってはカバーマークとウソしかまともな方法はないのかもしれません。

また、「○センチ×○センチの刺青ですが、手術代はいくらですか?」という問い合わせが多いのですが、大きさだけで見積ることは不可能です。六本木境クリニックでは面積や長さだけでお値段を考えているのではなく、 部位、皮膚の厚み、墨の色、深さ、リスクなども考慮しています。また、触診も重要と考えていますので、実際にお会いして、診察してみないことには正確なお値段は出せません。そのため、他のクリニックがおこなっているような、○センチ=○万円といった、単位あたりのお値段は決めておりません。

「皮膚は買えません」
ですから、お値段だけで決めない方が良いとは思います。

 

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