眉下の距離について

眉下切開(眉下リフト)は眉下の狭い人には不向きであるという話がまことしやかに言われていますが、そのような意見は間違っているとわたくしは思います。眉毛側の皮膚は筋肉や支持組織によって骨と強固にくっついていますが、睫毛側はフリーマージン・自由縁と言って、いわば目玉の上・宙に浮いています。対等な綱引きではありませんので、睫毛側が持ち上げられて目の開きが良くなることはあっても、眉毛が下に寄せられて目に近くなることはなさそうです。この理屈では眉下切開を受けたら極端に眉毛の下が狭くなるようなことは通常なさそうです。しかし、眉下切開(眉下リフト)を受けると劇的に眉下が狭くなる人がいることも事実です。それでは、どのような人が眉下切開を受けると劇的に眉下が狭くなるのでしょうか?

世間にはひたいに力が入っている人と入っていない人がいます。もともと厚ぼったい一重だったり、まぶたがたるんだり、眼瞼下垂によって、ひたいに力が入ってくると、ひたいのしわが強調されて眉下が広くなり、まぶたが間延びしたように見えたり、まぶたがくぼんだりします。また、眉下の距離が狭い人はほとんどの場合、ひたいに力が入っていない人やひたいに入っている力が弱い人です。

結論はひたいに力が入っているその度合いによって眉下切開(眉下リフト)後の眉下の距離は自動的に調整される傾向にあります。すなはち、執刀医が上手く眉下切開を行いますと、ほとんどの人がちょうど良い結果へと導かれます。眉下切開を受けると眉下の狭い人はほとんど狭くならず、眉下が広い人は劇的に狭くなる傾向にあります。

 

分厚いまぶた

分厚いまぶたの眉下切開の場合、筋肉や脂肪を取ることが良いのか?とよく議論されますが、わたくしは眉下切開(眉下リフト)において、これらの操作は全く必要ないと思います。神経・血管の走行は木とソックリです。上(浅い層)に行けば行くほど細く枝分かれしており、下(深層)に行けば行くほど枝が太い。すなはち、大切な血管や神経ほど奥にあります。血管に注目すると、筋肉や脂肪を取ったり操作が深くまで及ぶほど内出血や腫れが急激にひどくなります。最終的にキレイになれば、内出血や腫れは気にしないといった考え方もあるとは思いますが、内出血がひどい場合にはシコリやシミが残るなどといった話もあります。また、神経に注目すると、筋肉や脂肪を取ったほうが変な違和感や痛みが残りやすいように思います。実際に他院眉下切開後のしびれや痛みの相談は非常に多いと感じます。筋肉や脂肪を取らなくても皮膚切除して眼輪筋を縫い縮める(プリケーション)だけで十分にまぶたがスッキリします。ヒトのまぶたの一番突出した部位は骨ですので、眉下切開で筋肉や脂肪を取るとよく言えば彫が深くて男っぽく、悪く言えばゴリラっぽくなってしまう傾向にあります。

 

まぶたのくぼみについて

一般的にまぶたのくぼみについては眉下切開(眉下リフト)を受けると悪化すると思われています。その理由として、指で眉毛を持ち上げるシミュレーションをすると、まぶたのくぼみが悪化する傾向にあるからです。シミュレーションを見ただけで、くぼみ目に対して眉下切開を行う勇気がなくなる医師が多数派であると考えられます。しかし、実際の眉下切開の手術ではまぶたの皮膚が切り取られてテント状にピンと張りますので、まぶたのくぼみは減る傾向にあります。

また、ひたいで眉毛を持ち上げるクセが強い人ほどまぶたがくぼむ傾向があります。眉下切開を受けるとこのひたいで眉毛を持ち上げるクセが大幅に減ることもくぼみに良いことの理由の一つだとわたくしは考えています。ちなみに、前額リフトや眉上切開(眉下リフト)後にまぶたがくぼんだという相談は非常に多く、眉毛を指で持ち上げた雰囲気そのままになるようです。

眉下切開を受けるとくぼみも改善される傾向にあります。

 

眉下切開(眉下リフト)の適応と現在の美容外科の状況

現在、保険診療による眼瞼下垂の手術が大流行していますが、手術を受けたことによって不自然で人工的な整形顔になってしまったという話も多いものです。そして、このことは自費診療による美容整形の分野でも多くみられます。

「キレイにして欲しい、西洋人っぽい顔にして欲しい」というご希望が多い中、「キレイにして欲しいとは言ったが、誰も整形顔にして欲しいとは言っていない・・」と、施術結果への不満の声も多く聞かれます。こうした傾向は、切る美容外科だけでなく、切らない施術・美容皮膚科的な分野においても多くみられます。「ボツリヌストキシン治療を受けたら、無表情で不自然な顔になった」、「ヒアルロン酸などの注入系治療を受けたら凸凹になった」という相談も多く、中には「照射系たるみ治療を受けたらしわしわになった。くぼんだ。かえって老けた」など、本来の目的とは正反対の結果になってしまったという驚きの相談も多いものです。

六本木境クリニックでは、年齢に関わらず10代から90代の方にまで眉下切開(眉毛下皮膚切除術・眉下リフト)をお受けいただいております。また、眉下切開(眉下リフト)は非常に適応が広いため、さまざまな症状の改善・ご要望のために多くの方にお受けいただいております。こうした六本木境クリニックの臨床実績からも、「眉下切開が本当に理にかなった施術である」ということがお分かりいただけるでしょう。

しかしながら、どれもこれも傷跡をきれいに美しく仕上げることができればという話です。この部分の目立つ傷跡はかなり悲惨です。六本木境クリニックの眉下切開(眉下リフト)は「きれいな傷跡・傷跡を目立たせない」ということが特徴のひとつとなっています。

眉下切開(眉下リフト)は、従来ですと、いわゆるアンチエイジング外科として、年配の方や中高年の方々がお受けになるというのが一般的でしたが、最近では、若い方が「まぶたの厚ぼったさを取りたい」「眉下の距離を縮めて西洋人っぽくなりたい」「一重のままで目を大きくしたい」「すっきりさせたい」「イメージを変えずにキレイになりたい」等々の理由で、美容整形を目的にお受けになるというケースも増えてきました。

 

まぶたのたるみ

まぶたのたるみとは、一般的に「上まぶたのたるみ」を指します。下まぶたのたるみの場合は、不思議と目の下のたるみや目の下のくまと呼ぶことが多いようです。

また、広い意味での上まぶたのたるみとは、「上眼瞼皮膚弛緩症」と「眼瞼下垂」を指しています。さらに、上眼瞼皮膚弛緩症とは「皮膚のたるみ」を指しており、眼瞼下垂とは、眼瞼挙筋というまぶたの開閉をおこなう「筋肉の筋膜のたるみ」を指しています。上眼瞼皮膚弛緩症と眼瞼下垂は非常に多く見られ、この二つが合併しているケースも多く見られると言われています。

しかしながら、わたくしは、厳密な意味での眼瞼下垂は多くの人が思っているよりもずっと少なく、その9割以上は、実は、「上眼瞼皮膚弛緩症」であると感じています。このことに気づいたのは、以前は軽度の眼瞼下垂だと思っていたような症状に対して、「整形顔にしたくない、手術したことを人にバレたくない」という患者さんからの強い希望で眉下切開をおこなったところ、まぶたの開きが良くなってしまったという経緯があったからです。

わたくしは、二重埋没法のような手術からではなく、眼瞼下垂の手術から美容外科の世界に入った形成外科の医者ですので、眼瞼下垂に対して専門の医師が誰でも眼瞼下垂ではないかと疑うように、わたくしも「世間には眼瞼下垂が非常に多い」と色眼鏡で見ていたようです。しかしながら、こうした実際の臨床を通して、そうではなく、「実は多いのは上眼瞼皮膚弛緩症である」ということに気づいたのです。

まぶたの皮膚のたるみ(上眼瞼皮膚弛緩症)を感じはじめる年齢は20代後半が最も多いようですので、子供などの若年者を除く人類のほとんどが、この症状を感じているといえるでしょう。こうした背景から、ここでは上眼瞼皮膚弛緩症を中心に述べていきたいと思います。

眉下切開は老若男女、全人類におすすめ。

 

まぶたのたるみに対して、「照射系たるみ治療が効果がある、効果があったと」という意見は、美容外科医や美容皮膚科医など医療サイドからはチラホラ聞かれますが、患者さん側からはまったく皆無といっていいでしょう。逆に「照射後、しばらく腫れてハリが出たような気がしたけれど、効果があったとはとても思えない」といった意見がほとんどです。実際は、実感できる効果は無いに等しいというのが真実でしょう。

では、埋没法などのたるみを糸で留める施術はどうなのでしょうか。まぶたのたるみ(上眼瞼皮膚弛緩症)に対して本当に効果的なのでしょうか。わたくしは埋没法などの糸で留める手術もおこなってきましたが、この手術はどうやら若い人向き(たるんでいない人向き)の手術のように感じています。中高年以降の方はもちろん、20代後半以降のまぶたが少したるんできたという方にこの方法を用いると、二重の下にたるみを無理やり押し込めることになりますので非常に不自然です。

また、取れやすかったり、重たく感じてしまったりするようです。埋没法などのたるみを糸で留める方法の施術を受けた方からの、「三重・四重になってしまい、不自然なイメージになってしまった」「整形顔になった」「まぶたが重く感じるようになった」といった相談は実際に多いようです。

 

たるみ埋没法

まぶたのたるみ(上眼瞼皮膚弛緩症)治療で一番ポピュラーなものは、二重のラインで皮膚を切り取って縫い縮めるという方法でしょう。この方法の場合、二重ラインで皮膚を直接切り取るので、一見ダイレクトにたるみを改善できそうですが、確かにそういった側面もあるのですが、二重の部分に本来あるべきはずの薄くてしなやかな理想的な皮膚を切り取ってしまうため、無表情になったり、無理矢理作ったような人工的な二重になってしまったり、独特な整形顔、人種がわからないような顔、白人のおばあさんのような顔とよく表現されるような風貌になってしまいがちです。そのため、「ダウンタイムは1週間と聞いていたのに、何年経っても、初めて会った人から整形した顔、整形に失敗した顔と思われる。これじゃ、一生ダウンタイムじゃん」などという声もよく聞かれます。

 

また、まぶたの機能で一番大切なものは目を守るという機能です。眼科の先生方によると、糸で留めるような方法はまぶたの裏側がひずむので目に悪いそうです。眉下切開(眉下リフト)はまぶたの手術ではもっとも目から遠い部分の操作ですので、目に対する影響が一番少ないと言えそうです。ちなみに、最近では眼瞼下垂の手術(挙筋前転)などでまぶたの奥を広範囲に剥離されると、まぶたが固くなり目を圧迫したり、まぶたの奥の固い傷跡のため重みや違和感が長期に持続することがあると言われています。

 

<二重のラインで皮膚を切る方法>

 

<眉下切開>

 

それに対して、眉下切開(眉下リフト)の場合、上手く行うとしなやかな皮膚が手つかずのまま残り、さらに、皮膚が上に持ち上げられて引き伸ばされるため、より薄くしなやかになるといえるでしょう。さらに、重みが取れて動きも良くなる傾向にありますので、表情がイキイキと美しくなり、自然な若返りが得られるといえるでしょう。若い頃よりも目が大きくなって、目に光が入りやすくなるためか、周囲の人から「目がキラキラしてキレイになった」と言われることが多いようです。

また、眉下が狭い人の場合、美容外科でまぶたのたるみを相談すると、前額リフト(ひたいのリフト)や糸によるひたいの施術、眉上切開(ブローリフト)などを勧められることが多いようですが、これらの施術はハイリスク・ローリターンですので、やめた方がいいでしょう。

前額リフト(ひたいのリフト)や糸によるひたいの施術は、ひたいから頭にかけて痛みや痒みを生じることが多く非常に大変ですし、眉上切開(ブローリフト)は傷跡が目立つことで有名です。また、基本的にまぶたからの距離が離れれば離れるほど、まぶたへのダイレクトな効果は少なくなりますので、眉下切開(眉下リフト)や二重ラインでの皮膚切除のように直接まぶたにアプローチする方法以外では、得られる効果は微々たるものといえるでしょう。また、眉下切開(眉下リフト)ではまぶたの皮膚を切り取って縫い縮め皮膚がピンとテント状ににはりますので、くぼみ目が解消することが多いと言えます。反対に、前額リフトや眉上切開の施術では眉下切開(眉下リフト)とは異なり、まぶたがくぼんでしまう傾向があります。

<前額リフト>

 

 

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